研削から研磨まで1台で…SiC・GaNで使える半導体ウエハー加工装置、タカトリが開発
タカトリは半導体材料であるウエハーの研削から研磨までを行える装置「グラッピングSiC=写真」を開発し、12月1日に発売する。スライス後の荒れた表面の処理として、研削、ラッピング(研磨)、ポリッシング(鏡面研磨)の3工程を1台で行える。最大8インチのウエハーの処理が可能。工程間の自動化による生産性向上につながる。欧米や中国など海外の半導体ウエハーメーカーに採用を提案する。
価格は約1億円を見込む。初年度30台、2026年には年間200台の販売を目指す。
パワー半導体の材料として注目される炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウムなどで使える。
同装置はサイズが幅1225ミリ×奥行き2500ミリ×高さ2500ミリメートル。重さ8トン。高剛性のフレーム構造を持ち、高速で高精度の研削が可能。また研削用砥石ホイールの交換や設定の調整、ワーク(加工対象物)の移動などを自動で行う。工程の時間短縮やコスト削減が見込める。
従来工程では研削や研磨の工程ごとに専用装置が処理しており、工程間で加工対象物(ワーク)の移動が必要だった。また作業者がデータの入力作業を間違える可能性があり、生産性を下げるリスクもあった。
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日刊工業新聞 2023年11月28日