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売上高5倍に…レゾナックがパワー半導体用SiCエピウエハーで攻める

売上高5倍に…レゾナックがパワー半導体用SiCエピウエハーで攻める

レゾナックのSiCエピウエハー

レゾナック・ホールディングス(HD)はパワー半導体炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウエハー事業を拡大する。脱炭素化や電気自動車(EV)シフトに伴うSiCパワー半導体市場の成長に対し、品質の優位性を強みに訴求する。SiCエピウエハーの売上高についてレゾナックデバイスソリューション事業部の金沢博SiCCTO(最高技術責任者)は「5年以内に2022年比で5倍を目指す」と語った。

27日、本社(東京都港区)でSiCエピウエハー事業説明会を開いた。SiC基板上にエピ層を成長させたSiCエピウエハーは、製造時に高温環境が必要なことなどが課題。同社は熱・空気の流れについて計算科学を用いてシミュレーションするなどデジタル技術で可視化し、開発リードタイムの短縮を図る。金沢SiCCTOは「生産技術や工程管理のノウハウは競合他社より先んじている」と品質の強みを語った。

SiCパワー半導体は従来のパワー半導体に比べ電力の損失を抑制でき、放熱性が高いのが特徴。EVや再生可能エネルギー分野で需要が増えている。レゾナックはSiCパワー半導体の主要材料であるSiCエピウエハーのトップシェアを誇り、増産体制の整備などに取り組む。


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日刊工業新聞 2023年04月28日

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