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ニデックが欧で旋盤買収検討、TAKISAWAと協議へ

ニデックはTAKISAWAとともに、欧州の旋盤メーカー買収を目指す。TAKISAWAのTOB(株式公開買い付け)成立後、買収候補などについて協議を進める。工作機械の主力機種である旋盤のラインアップを強化するとともに、同事業での海外展開を加速するのが狙い。従来のマシニングセンター(MC)に旋盤を加えた総合工作機械メーカーとしてグローバル体制を整える。

ニデックは13日に旋盤メーカーのTAKISAWAからTOBの賛同を得たことで、工作機械市場の約3割を占める旋盤事業を傘下に収めることになる。ただTAKISAWAは企業規模が小さいこともあり積極投資に踏み切れず、日本やアジアに比べて欧米への展開が遅れていた。

一方、ニデックも工作機械事業では日本やアジア向けが7割以上を占め、欧米向けが弱いのが課題で、M&A(合併・買収)を積極化して事業拡大を加速させる。企業選定では「TAKISAWAの製品と競合せず日本比率が低いメーカーなどを候補に、旋盤に強いTAKISAWAと協議していく」(西本達也ニデック副社長)方針。まずは欧州メーカーに照準を定める。

工作機械の海外生産拡大も視野に入れる。減速機やプレス機の欧州や北米での生産拠点と連携し、既存工場近くで旋盤やMCなどを現地生産する構想を持つ。また旋盤をメーンにした複合加工機の共同開発などシナジーを最大化する考え。

ニデックは7月、TAKISAWAに対するTOBを発表。その時点では「同意なきTOB」だったが、13日にTAKISAWAが賛同を表明した。TOBの買い付け期間は10月27日まで。


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日刊工業新聞 2023年09月22日

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