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コンデンサー大容量化へ、産総研がBTOナノキューブとグラフェンで交互積層作製に成功

コンデンサー大容量化へ、産総研がBTOナノキューブとグラフェンで交互積層作製に成功

BTOナノキューブとグラフェンの交互積層構造(産総研提供)

産業技術総合研究所の板坂浩樹研究員と浜本孝一研究グループ長らは、チタン酸バリウム(BTO)ナノキューブとグラフェンの交互積層構造を作ることに成功した。積層セラミックコンデンサーの製造プロセスに応用すると電極間隔を約20ナノメートル(ナノは10億分の1)まで狭められる可能性がある。コンデンサーの大容量化につながる。

大きさが約20ナノメートルのBTOナノキューブが規則的に並ぶ単層膜と多層グラフェンを交互に積層する。BTOナノキューブは誘電体、グラフェンは電極として機能し、コンデンサーを形成する。実験ではそれぞれを交互に転写し、均一な多層構造を作製できた。

既存の積層セラミックコンデンサーの積層間隔は数百ナノメートルのため一ケタ小さくなる。従来の金属電極は誘電体層に金属が侵入して短絡を起こす課題があった。グラフェンは侵入を起こさない。コンデンサーの小型大容量化につながる。

日刊工業新聞 2023年09月06日

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