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スーパーエンプラのポリスルホンをモノマーに分解、産総研が開発した新手法の効果

スーパーエンプラのポリスルホンをモノマーに分解、産総研が開発した新手法の効果

水酸化アルカリを主成分とする反応剤によって、150 ℃という穏和な温度条件で樹脂内部の特定の炭素-酸素結合を切断、モノマーへの分解に成功(産総研提供)

産業技術総合研究所の南安規主任研究員らは17日、スーパーエンジニアリングプラスチックのポリスルホンをモノマーに分解する手法を開発したと発表した。水酸化アルカリで重合部分を切断する。150度Cで4時間反応させると、収率9割以上でモノマーを得られた。モノマーは再重合できる。ケミカルリサイクルへ提案する。

ポリスルホンの炭素と酸素の結合を水酸化セシウムなどの水酸化アルカリで切断する。この反応では水分子が生じて反応を止めてしまう。そこで水素化カルシウムを脱水剤として利用した。

ジメチルエチレン尿素(DMI)を溶媒としてポリエーテルスルホンを150度Cで反応させると分解が進んだ。分解物を酸処理するとモノマーのビスフェノールSが得られ、再度重合すればポリスルホンになる。水酸化セシウムをより安価な水酸化カリウムに置き換えたり、水素化カルシウムを省いたりした条件でも反応が進むことを確認した。アルカリ元素の処理は必要だが、熱分解に比べると3分の1程度の温度でモノマーに戻せる。

日刊工業新聞 2023年08月18日

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