量子・AIで計算技術、産総研がつくばに研究センター設立
産業技術総合研究所は、量子コンピューターと人工知能(AI)処理の融合計算技術などを研究する「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G―QuAT)」を設立した。つくばセンター(茨城県つくば市)内に、量子とAI研究に用いるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)スパコン「ABCI―Q」を整備する。既設スパコンの2倍以上の計算規模になる。計算資源を産業界へも提供していく。
GPUスパコンを量子シミュレーションに利用する。量子シミュレーションでは多数の並列計算が必要になり、GPUベースの計算機が向く。生成系AIなどの大規模並列計算にもGPUが向くため量子とAI開発の両方に活用する。
量子計算技術と従来の計算技術の融合研究に取り組む。また量子コンピューターの心臓部を冷やす極低温の評価設備を整える。デバイスや部材を極低温で評価し標準化につなげる。量子アニーリングマシンやシリコン量子ビットの集積技術、誤り耐性回路などの研究にも取り組んでいく。
そのために六つの研究チームを設けた。研究開発と標準化を並行して進め、産業創出を目指す。
日刊工業新聞 2023年07月28日