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光を通す断熱材に、産総研が2高分子から複合多孔体作製

光を通す断熱材に、産総研が2高分子から複合多孔体作製

複合多孔体と電子顕微鏡写真(産総研提供)

産業技術総合研究所の竹下覚主任研究員と小野巧研究員は20日、シリカベースとバイオベースの高分子を混ぜた複合多孔体の作製法を開発したと発表した。空隙率の高いエアロゲルを作ると複合化で曲げ耐性が2倍向上した。熱伝導率は静止空気よりも低い。光を通す断熱材への応用が見込める。

ケイ素と酸素が連なったポリシロキサンと天然由来高分子との複合材料を開発した。天然由来成分としてアルギン酸やペクチン、カラジーナンなどを利用する。いずれも海藻やかんきつ類から得られる。

ポリシロキサンで多孔質ゲルを作製してから天然由来成分を架橋する手法と、天然由来成分で多孔質ゲルを作製してからポリシロキサンを架橋する手法を開発。ポリシロキサンに対して1割ほどの天然由来高分子が加わると柔軟性が改善した。

特にポリシロキサンとアルギン酸の複合多孔体は撥水(はっすい)性に優れ、ポリシロキサン単体の多孔体に比べて2倍ほど曲げても壊れない。熱伝導率は1メートル・1ケルビン当たり22ミリワットと静止空気よりも小さい。従来のエアロゲルは断熱性は高いが、もろく壊れやすい課題があった。

日刊工業新聞 2023年07月21日

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