変電所フルデジタル化、JR東日本が日立と共同開発
JR東日本は5日、日立製作所と共同開発したフルデジタル変電所システムを2025年度以降に導入すると発表した。変電所内の情報のやり取りをメタルケーブルを用いたアナログ方式から光通信によるデジタル方式へ変更する。伝送路と保護・制御機能を完全に二重化する。一方の設備が故障しても、もう一方が稼働を継続することで、より安定した電力供給につなげる。
JR東は発電所から受電する交流変電所18カ所のうち、小岩交流変電所(東京都江戸川区)を設備交換に合わせてデジタル化する。25年度から電圧2万2000ボルト対応の設備、27年度から同6万6000ボルト設備の使用を開始し、デジタル化を完了する。工事費は従来に比べ約1割削減できる見通し。他の変電所も設備交換に合わせて導入を検討する。
また従来は一つの情報に対し1本のメタルケーブルを使っていたが、光伝送路への変更でケーブル数量を約9割削減できる。監視操作盤や保護リレー盤も統合ユニットへ集約・小型化し、日々の点検なども行いやすくなる。
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日刊工業新聞 2023年09月06日