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張り替え周期1.4倍、JR東日本が試験導入した「新型トロリ線」の仕組み

張り替え周期1.4倍、JR東日本が試験導入した「新型トロリ線」の仕組み

JR東日本とプロテリアルが共同開発した新型トロリ線

JR東日本とプロテリアル(旧日立金属)は、材料の組成を変えて摩耗を低減し、張り替え周期を約1・4倍に伸ばす新型トロリ線を開発した。従来の銅スズ合金線に希少金属のインジウムを添加し、耐引っ張り荷重を従来比約25%強めた。JR東は埼京線の一部区間に試験導入した。今後エリアを広げ、コスト低減やメンテナンスの効率化を実現する。

トロリ線は電車に不可欠な重要パーツで、パンタグラフとの接触で電力を鉄道車両に取り込む。過密ダイヤや高速走行下での摩耗対策のほか、労働人口減少などでその張り替えが課題となっている。

JR東の在来線で用いるトロリ線は従来、銅にスズを添加しており、今回はそれにインジウムを加えた。摩耗を低減するほか、線の交換の目安となる摩耗限界を拡大。張り替え周期20年の線区を約27年に延長できる。

このため摩耗が激しく交換周期が短い箇所では工事関連の人件費や整備費を抑制可能。本線用に新タイプと識別できる細い溝、車両基地・側線用は摩耗管理用の溝を付け、架設作業を効率化できる。

JR東が試験導入したのは中浦和―南与野間740メートルと南与野構内1270メートル。同社の設備・システムの戦略更新・強化の一環として実施する。

日刊工業新聞 2023年05月25日

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