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トヨタが取引先の資金繰り実態調査、追加支援も検討

トヨタが取引先の資金繰り実態調査、追加支援も検討

実態調査を通じて取引先支援策の拡充を検討(トヨタ高岡工場)

トヨタ自動車が仕入れ先の資金繰りについて実態調査に乗り出したことが明らかになった。中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化していることを踏まえ、2次、3次などの取引先も含めて経営状況を把握する。電気料金や人件費などが上昇する中、トヨタはエネルギー費の一部負担などによる仕入れ先支援を表明している。実態調査を通じてサプライチェーン(供給網)の寸断防止に向けた対策を一段と強化する。

トヨタは8月に入り、1次取引先からの聞き取り調査を始めた。1次取引先の仕入れ先である2次、3次以降の取引先についても、資金繰りや経営に異変や不安が出ている企業がないかを調査する内容だ。実態をつかみ、追加の支援策を検討するようだ。

ゼロゼロ融資はコロナ禍で売り上げが減少するなどした中小を対象に2020年3月に開始。22年9月末の終了までに民間と政府系の合計で42兆円超を融資してきた。返済が始まると同時に、新たな資金調達が難しい企業の倒産が増加。帝国データバンクによると23年1―5月の倒産件数は前年同期比1・6倍の236件に上ったという。このうち製造業は45件を占める。7月以降、返済は本格化し、さらなる倒産件数の増加が懸念される。

トヨタは元々、1次取引先に対する現場の生産性改善支援などをしているほか、昨今の資材・エネルギー費高騰を受けて費用の一部負担や、毎年実施している部品価格改定を据え置くなどの対策を実施。このため2次、3次を含めトヨタ関連の取引先では「目立った資金難は出ていないようだ」(1次部品メーカー幹部)。

ただ中小企業ではコスト高に価格転嫁が追いつかず「生産量は増えているが、これまでと同等の製品単価では利益を確保できない」(2次部品メーカー)との声もある。価格転嫁の流れはトヨタの1次取引先以降にも広がり始めているが、好循環を隅々まで行き渡らせるには課題も多い。


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日刊工業新聞 2023年月8月29日

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