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トヨタG主要部品7社は業績回復鮮明も、警戒の声が上がる理由

トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社の業績回復が鮮明になっている。主要顧客であるトヨタの生産回復に加え、資材・エネルギー高騰分の価格転嫁が収益の押し上げ要因となる。デンソーなど3社は2024年3月期連結業績予想の各利益段階を上方修正。23年4―6月期決算は全社が前年同期比増収となり各損益段階も改善した。一方、電気自動車(EV)の普及が進む中国で、日系自動車メーカーの生産台数の下振れを懸念する声も上がっている。

通期予想ではデンソーとトヨタ紡織が売上高と各利益段階を上方修正。デンソーの松井靖副社長は「(自動車メーカーなどの計画から)10%程度堅く見積もっていたが、これを3%程度引き上げた」と話す。トヨタ紡織の岩森俊一取締役執行役員は「9月までは好調。10月以降も顧客の動向を捉え、上振れを期待する」とした。また各利益段階を上方修正した愛知製鋼の中村元志副社長は「販売数量は年間計画通り。購入価格が高止まり傾向にある」と捉える。

一方、通期予想を据え置いた豊田自動織機は「懸念があるわけではないが、大きな変化もない」(高木博康執行職)との認識だ。

各社警戒するのは中国の急速なEVシフト。日系自動車メーカーへの影響について、デンソーの松井副社長は「7―9月期は中国の下振れは無視できない」と説明。豊田合成の安田洋副社長は4―6月期の中国について「計画の3分の2くらいで推移した」とし、ジェイテクトの立花昭人経営役員は「当初の想定より10%程度落ちている」と語る。

中国以外では、タイの与信厳格化により現地で自動車購入を控える傾向が強まっていることや、半導体を含む電子部品高騰の継続もリスク要因となる。


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日刊工業新聞 2023年07月31日

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