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強度は3-4倍…超極細スーパーエンプラ製糸の実力

強度は3-4倍…超極細スーパーエンプラ製糸の実力

安定量産に成功した直径20マイクロメートルの液晶ポリマー糸(ボビンから左下に出ている部分)

斎藤撚糸(岡山県鏡野町、斎藤憲資社長)は直径20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と超極細のスーパーエンジニアリングプラスチック製の糸を発売した。市販の繊維をモノフィラメントという単繊維に分けて巻き取る装置を開発、安定量産を可能にした。織ってメッシュ状にすれば電子デバイスや電池の材料などさまざまな新用途が期待される。2024年末には、さらに細い直径15マイクロメートルのエンプラ糸の提供開始を目指す。

開発した繊維は材質に液晶ポリマー(LCP)というスーパーエンプラを使用。300度Cの高温に耐えるほか、強酸や強アルカリへの耐性を持つ。強度も一般的な合繊材料の3、4倍あるという。

市販の液晶ポリマーの糸をほぐしてモノフィラメントに分けて巻き取る「分繊機」という装置を開発し、極細繊維を得た。合成繊維は通常、原料の樹脂を溶かし、微細な穴がたくさん開いた特殊なノズルから押し出し、巻き取って製造する。この逆の工程を取る。

さらに24年末をめどに、直径15マイクロメートルの微細糸を開発する。分繊機を改良し、繊維を傷つけずに糸をほぐす機構や、細い繊維をより安定して均一に巻き取れるよう高精度化する。このため岡山県から、県内企業の新技術開発を支援する「きらめき岡山創成ファンド支援事業」の23年度の補助金を獲得した。

糸を縦横に織って作る平織りの厚さは、繊維の直径の2倍になる。このため繊維自体を細くするほど、織物の薄型化に貢献する。折り曲げられるフレキシブルデバイスの基板材や、電池のセパレーターの材料などの新用途につなげる。

日刊工業新聞 2023年月7月11日

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