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長引く買収交渉、東芝が株式非公開化を延期へ

東芝は14日、株式非公開化を含む買収交渉プロセスの完了が2023年度にずれ込むとの見通しを明らかにした。日本産業パートナーズ(JIP)から9日に受け取った買収の最終提案について、社外取締役で構成する特別委員会を中心に内容の検討を進めているが、独占禁止法の審査など時間がかかる手続きがあり、23年3月末までに完了するのは難しいため。一連のプロセスで必要となる費用の計上も一部、23年4月以降にずらした。

14日、決算説明会でオンライン会見した平田政善代表執行役専務はプロセス完了の予定について「当初は3月末までの方向で進んでいた」と述べ、買収交渉などが予定より長引いていると認めた。

また、JIPに与えたとされる優先交渉権についても、「優先交渉権を持っている認識はなく、他の候補者にも財務情報の開示に応えて、公平に対応してきた」とし、JIP以外とも並行して財務状況開示などのやりとりがあることを明かした。

JIPは銀行の融資と国内企業約20社からの出資を集めて、東芝に対し2兆円規模の買収提案をしている。東芝の特別委員会と取締役会が提案内容を検討するが、東芝の物言う株主(アクティビスト)が買収額などの条件を受け入れるかが今後の焦点となる。


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日刊工業新聞 2023年02月15日

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