業界初の1年で3度目…三菱製紙が再々値上げ
三菱製紙は印刷・情報用紙と白板紙で12月1日出荷分から、2022年で3回目の値上げを打ち出した。円安も進み原燃料高騰の厳しさが続いており、現行価格から15%以上引き上げる。1年間で3度値上げするのは製紙業界で初めてという。
22年は1月1日分以降、7月21日分以降と2回値上げを行ったが、同社は「価格改定幅以上に製造コストが急騰」しているとし、「生産体制見直しやコストダウンを進めるが、自助努力だけでは困難」とする。
メーカーの多くは直近で、8月出荷分からの2度目の値上げを発表。ただ顧客あっての値上げのため実際はズレがあり、印刷大手との値上げ交渉は8月末ごろ妥結したばかりだ。値上げをめぐる企業間の“時間差”も顕著になっている。慎重だった王子製紙は9月末、12月1日分からの再値上げをやっと表明。三菱製紙は1回分の差をつける格好だ。
日刊工業新聞 2022年10月20日