大型構造物を一括作製、清水建設が開発したスゴい3Dプリンター
清水建設はガントリー型の3Dプリンターを開発した。建設現場で実物大の構造物を作製できる。東京都江東区に建設中の自社施設で実証し、外装部材を兼ねた3次元曲面形状の埋設型枠を作製した。大型構造物の一括作製により、部材の運搬コストを低減できる。今後も同現場で適用し、施工の省力化・省人化につなげる。
開発した「シミズロボプリンター」は奥行き25×幅7・2×高さ12・5メートル。実証施工では鉄骨と鉄筋を組み立てた後、外周に独自の3Dプリント材料「ラクツム」を積層。奥行き20メートル×高さ4・5メートル×厚さ80ミリメートルの埋設型枠を作製した。外周約42メートルの型枠1層分の作製に約10分、型枠全体の作製に延べ75時間を要した。
シミズロボプリンターは、レール上を水平移動する門型のフレームと材料押し出し方式のプリント機構で構成される。ノズルはクランク形状とし、施工した鉄筋や鉄骨に接触せずに積層できるように工夫した。
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日刊工業新聞2022年9月30日