3Dプリンター×ロボットでコンクリ自動施工、大林組が開発したスゴいシステム
大林組は12日、3Dプリンターとロボットアームでコンクリート構造物を自動施工するシステムを開発したと発表した。3Dプリンターでプレキャストコンクリート(PCa)の外殻を製造し、打設経路をプログラミングしたロボットアームでコンクリートの吹き付けや流し込みを行う。型枠の組み立てや解体作業が不要になる。コンクリート打設をロボットアームに置き換えることで、従来の3分の1の人数で作業を可能にした。
3Dプリンターは設計図からロボットの制御情報を直接生成するため、あらゆる型枠が必要な構造物でも構築できる。また、特注の鋼製型枠を使う従来に比べ、外殻の製造期間も大幅に短縮する。例えば鋼製型枠で複数のPCaブロックを製造するプレキャストケーソン基礎工事では、ブロックの製造工程を約2カ月短縮。3Dプリンターの費用や人件費を考慮しても、外殻の製造コストは鋼製型枠の製造に比べ最大で50%低減できるという。
大林組は日本ヒュームと同システムを検証し、PCaブロックの製造に成功した。3Dプリンターで製造した外殻はコンクリートと一体化しており、特注の型枠を使う従来手法で製造したPCaと同等の強度を持つことも確認した。今後も研究開発を継続し、実工事に適用を図る。
日刊工業新聞2022年7月13日