試乗して分かった、日産「エクストレイル」新型車の人気の要因

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国内だけでなく、海外での売れ行きも注目されるエクストレイルの新型車

eパワー力強く、静かな加速

日産自動車のスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」の新型車の販売が好調だ。7月下旬の発売から1カ月強で受注が1万7000台を超えた。約9年ぶりの全面改良を機に、ハイブリッド車(HV)システム「eパワー」や4輪駆動(4WD)システム「eフォース」といった独自技術を初めて搭載した。受注の9割を占めるeフォース搭載車に記者が試乗し、人気の要因を体感した。(西沢亮)

日産は9月初旬、山あいの道が多い埼玉県長瀞町で報道機関向けに試乗会を開いた。記者は「G」グレードの4WD車に乗車。まずアクセルを踏むとエンジンの音や振動を感じることなく、電気自動車(EV)のように滑らかに走り出した。

eパワーはエンジンを発電のみに使いモーターで駆動する。容量の小さい電池をうまく使いながら、エンジンの作動頻度や回転数を抑える独自の制御技術で、内燃機関の動きを感じさせない静かな走りを実現した。

坂道に差し掛かりアクセルを踏み込むと力強く加速するが、エンジンの動きは気にならない。その一因に独自の可変圧縮比エンジン「VCターボ」がある。圧縮比を8―14に変えることで、排気量1500―2800cc相当のエンジン性能を発揮する。加速時に圧縮比を下げてトルクを高めつつエンジン回転数を抑えることで、力強く、静かで、効率的な走りにつなげた。

次に上り坂のカーブに差し掛かると、イメージ通りに曲がることができた。ここでは前後輪二つのモーターと4輪の各ブレーキを統合制御するeフォースのアシストがあった。カーブで内輪にブレーキをかけながら、外輪は外側から支えるように加速気味に制御。さらに前後の駆動力を細かく調整することで、ハンドルを切っても膨らみや減速がなく、スムーズにカーブを通過した。

また減速時は、eフォースで前輪だけでなく、後輪のブレーキも制御することで、身体が前のめりになることなく、フラットな感覚でスピードを落としながら停止できる。

こうしたイメージ通りの動きや、身体の重心が振られることのない走りが、運転時のストレスをこまめに解消。「長く運転しても疲れない感覚につながっている」(日産の渡辺大介テクニカルエキスパート)という。全体的に静かさや力強さに高級車のような乗り心地を感じていたが、道路状況に左右されない安定した走りが、質の高さに磨きをかけていたことを実感した。

日産はEVとeパワー搭載のHVを電動化戦略の柱に位置付け経営資源を投入する。エクストレイルは近く欧州でも発売を予定。従来の堅牢(けんろう)さに加え、上質さもまとった新型車がどう受け入れられるのか。国内だけでなく、海外での売れ行きも注目される。

日刊工業新聞2022年9月13日

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