一般ゴミから水素ガス、日立造船が事業化する次世代型廃棄物処理システムの全容

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酸素を遮断した環境でゴミを高温に熱してガス化するための処理炉

日立造船は一般廃棄物を炭化させ水素などの可燃ガスを取り出す次世代型廃棄物処理システムを事業化し、2023年度にも受注を始める。3月にゴミ焼却施設の舞洲(まいしま)工場(大阪市此花区)内で始めた実証実験の結果を踏まえ、市区町村が加盟する全国都市清掃会議の認定が得られると判断した。これまでエネルギー回収が難しかった「小規模な処理施設においても発電が可能になる」(三野禎男社長)とみて、島しょ部などに設置を提案する。

次世代型廃棄物処理システムは酸素を遮断した環境下でゴミを高温に熱して分解し、可燃ガスを取り出す。ゴミ処理過程で二酸化炭素(CO2)を排出せず、焼却と同程度のゴミ減容が見込める。産業廃棄物と異なり、ゴミ質が一定でない一般廃棄物から安定的に可燃ガスを取り出すのは難しい。温度管理などに日立造船の焼却炉製造ノウハウを生かす。

実証実験では1日当たり2トンの一般ゴミを処理し、回収したガスを用いて発電を行った。「小型施設でも15%程度の発電効率でエネルギー回収できるのは大きなメリット」(日立造船)とし、事業化段階では1炉当たり50トン程度の廃棄物処理を目指す考えだ。

処理炉から取り出したガスは発電用の燃料とするほか、将来は化学合成でプラスチックなどの原料に変換することを目指す。

日立造船は大型ゴミ焼却発電施設に強く、グループ受注実績は1000件超と世界シェア首位。新型システムの事業化で小規模施設への置き換え需要に対応し、一段とシェアを広げたい考えだ。

日刊工業新聞2022年8月3日

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