世界共通の報酬制導入したアステラス、“適所適材”で技術革新なるか
アステラス製薬の安川健司社長兼最高経営責任者(CEO)は29日、日刊工業新聞社などの取材に応じ「グローバルで人材のジョブポスティング(社内公募)を行い、世界共通の報酬制度を導入した」ことを明らかにした。従来の年功序列による昇進制度から転換し、人材を“適所適材”に配置することでイノベーションを生み出す組織に変革する。
安川社長は同社の組織文化について「保守的で失敗を過度に恐れる風土があり、全社と部門ごとの目標が異なるといった背景から人事にも不公平感があった」とし、グローバル機能別の組織に対応した人事制度の改革に着手。地域や所属組織によらず、同じ成果ならば同じ報酬となるよう、まず世界中の部長クラス以上の給与体系を整備した。今後、最大10階層ある組織を6階層にするなど組織のフラット化も進める。
同社は2021―25年度の経営計画で「組織健全性目標」を設定。実行力を高め、株式時価総額7兆円以上を目指している。
日刊工業新聞 2022年6月30日