上意下達止める!三菱電機はコミュニケーション改革で不正根絶なるか
三菱電機は一連の品質不正問題を受けて、4月から社内のコミュニケーション改革に乗り出す。従来の上意下達の組織風土を変えるため、相談・雑談しやすい職場環境づくりへ管理職の負荷平準化などを図る。問題の一因となった“上にものが言えない風土”の解消に向けて早期に実行可能な施策から着手しつつ、1年程度かかる人事制度の刷新なども並行して進める方針だ。
三菱電機は漆間啓社長直轄の全社変革プロジェクト「チーム創生」が閉鎖的な組織風土の解決策・変革提案の提言書をまとめた。その提言で社内のコミュニケーション不足が指摘されており、より気軽に上司と部下が相談・雑談できる現場の環境整備を始める。
経営幹部と現場の板挟みとなる管理職への負荷が過大になりがちだという。管理業務の軽減のために組織サイズや管理スパンなどを見直す。時間に余裕ができた管理職はそれを部下との対話に充てる効果を期待する。コミュニケーションのやり方も変える。風通しの良い組織風土への第一歩となる。
一方で、抜本的な人事制度の見直しには労働組合との調整などで一定の時間が必要だ。ローテーションの新たな仕組みや処遇改善は半年から1年かけて取り組む方針だ。
4月からの三菱電機は品質風土改革のため、日産自動車出身の中井良和氏を常務執行役兼CQO(最高品質責任者)に招へいする。外部出身者の目で品質保証体制を再点検し、各工場任せにしない本社主導の新たなモノづくりの体制を目指す。
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日刊工業新聞2022年4月1日