ローカル5G差別化へ先手なるか、NECネッツエスアイが韓国メーカーなど出資

社会実装へ連携加速

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ゲーム機の筐体にソフトウエア基地局「FW―L5G―1」を組み込んだデモ機

NECネッツエスアイ(NESIC)は、韓国の通信機器メーカーであるHFR(城南市)と、東京大学発スタートアップのフレアシステムズ(東京都千代田区)に出資した。第5世代通信(5G)を地域限定で使うローカル5Gの社会実装に向け、出資した2社が持つ5G関連技術を差別化の武器とする。ローカル5G事業で2023年度の目標に掲げる売上高100億円達成への活動に弾みをつける構えだ。(編集委員・斉藤実)

NESICは5Gの次世代の「ビヨンド5G」を含むローカル5G事業を22年度以降の事業拡大戦略の目玉に据え、地域・自治体向けおよびスマートビル向けを両輪に新規需要を掘り起こす方針。ローカル5Gで協業する企業への出資はNESICとして初めて。HFRへの出資額は非公表だが、発行済株式の4・5%としており、推定約17億円となる。

HFRは韓国の通信事業者向けに5G製品を提供し、さらにローカル5G製品も含めて韓国国内で一定の存在感を持つ。NESICは今回の出資でHFRとの連携を強固にし、日本市場でのローカル5G事業の拡大に向けてタッグを組む。

HFRが持つアンテナ分散技術を活用することで、ローカル5Gが必要とされる建物屋内を効率よくカバーすることが可能。オフィスや病院など壁や床で仕切られた空間が多い屋内施設においても最適なローカル5G環境を構築できる。

具体的には、オフィスビルや病院など、壁や床で仕切られた空間が多い屋内施設において、1台の基地局(CU/DU)から小型送信機(RU)を複数台つないで、効率よく通信エリアの設計できる。これにより、導入コストの低廉化とローカル5Gの性能を最大限に生かせる。

一方、フレアシステムズへの出資は東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC、東京都文京区)が運営するオープンイノベーション推進の投資ファンドと共に実施した。

韓国HFR製の小型送信機(RU)

フレアは東大大学院工学系研究科システム創成学専攻の中尾彰宏教授とNESICとの共同研究「ソフトウエア基地局によるカスタマイズ可能なローカル5G技術の研究」の成果を実用化する目的で設立された。フレアが他社から出資を受け入れるのは今回が初めて。金額は公表していない。

両社は共同研究の成果を基に5G対応のソフトウエア基地局「FW―L5G―1」を開発。2月から産業機器などへの組み込み用途への展開を始めた。NESICはフレア製のソフトウエア基地局の販売に加え、次世代のビヨンド5G技術の研究開発などでも連携を強化する。

牛島祐之NESIC社長はローカル5Gの社会実装について「具体的なアクションに落とし込み、全社一丸で取り組む」と意欲を示す。今後も他企業との協業を迅速に進めていけるか試される。

日刊工業新聞2022年4月27日

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