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スマホ国内出荷の5G対応が7割に、やっぱりけん引役は…

アイフォーン効果で上昇

MM総研(東京都港区、関口和一所長)は、2021年10―12月期のスマートフォン出荷に占める第5世代通信(5G)対応比率が前年同期比22・5ポイント増の72・1%に拡大したとの調査結果をまとめた。国内のスマホ市場は米アップルが約半数を占めており、21年9月に発売された同社の「iPhone(アイフォーン)13」シリーズの効果が主な要因だと分析している。

21年の5Gスマホの出荷台数は前年比3・1倍の1960万9000台に増加。スマホ出荷に占める5G比率は同37・3ポイント増の58・1%に到達した。

5G比率は四半期推移でみると、アイフォーンの発売時期に大きく左右されている。5Gスマホの出荷が開始された20年1―3月期は3・9%だったところ、5G対応の「アイフォーン12」シリーズが発売された同10―12月期には49・6%に拡大。21年4―6月期はアイフォーンの新シリーズ発売を控えて46・3%に下がった。

21年9月にはアイフォーン13シリーズ4機種が一斉発売され、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」対応端末の品ぞろえも拡充したことで、10―12月期に再び上昇した。

21年の国内5Gスマホ出荷台数のメーカー別シェアは米アップルが57・4%で首位。シャープが10・3%、韓国サムスン電子が8・3%と続いた。FCNT(神奈川県大和市)と京セラはいずれも7位以下だった。ただ、FCNTは2月に5G対応のらくらくスマホを発売。京セラも同月に「あんしんスマホ」で初めてNTTドコモ向けにスマホを供給するなど、今後は5Gシェアの拡大が予測されるという。

消費者がスマホを選ぶ上で、重視するのが端末価格。MM総研が発売時の販売価格(消費税込み)を採用して価格帯別の出荷台数構成比を分析したところ、4Gと5Gともに20年と21年の価格帯別構成比は低価格帯の比率が上昇していた。5Gでは「9万円以上」の出荷構成比が、21年に前年比18・5ポイント減の62・4%に減少。20年では実績ゼロだった「3万円未満」が21年は8・8%となった。

日刊工業新聞2022年4月22日

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