価格半減、エノアと東大が開発した「水素蓄電システム」の利点

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エノアなどが開発した水素蓄電システム。太陽光発電した電力で電気分解して作った水素をタンク(左)に貯蔵し、燃料電池で電力に戻す仕組み。

エノア(愛知県豊田市、青野文昭社長)と東京大学の杉山正和教授らの研究グループは、太陽光発電で得た電力で水素をつくり貯蔵する蓄電システムを開発した。市販品を組み合わせることで、大手電機メーカーが開発する設備より半分以下の価格に抑えられるという。安価なシステムを展開し中小企業の脱炭素化に繋げる。

太陽光から得た電力で電気分解して作った水素をタンクに貯蔵し、必要な時には燃料電池を通じて電力とする仕組み。取り出すときのエネルギー量は変換前の3割に減るが「安価に長時間ためられる」(杉山教授)利点がある。夏に貯蔵して冬に使うといった運用が可能だ。

水素貯蔵タンクや燃料電池などの構成設備は市販品を組み合わせた。発電状況に応じて、水素を貯蔵するか、電力に変換するかを制御する人工知能(AI)も開発した。天気予報を基に発電量と電力需要量を予測して制御する仕組みになっている。

試作したシステムは需要側として中小企業の工場、供給側として太陽光発電所を見立てた設備で実証した。AIによって各設備を協調制御し、安定稼働することを示した。「基本的な仕組みができた」(同)として、水素利用する電源システムを手がけるエノアは低価格化して事業化を目指す。

日刊工業新聞2022年4月15日

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