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島津製作所が開発した体内の薬剤分布状態を撮影する新システムとは?

島津製作所が開発した体内の薬剤分布状態を撮影する新システムとは?

島津の近赤外光イメージングシステム

島津製作所は21日、体内での薬剤の分布状態などを撮影・計測する近赤外光イメージングシステムを発売したと発表した。近赤外光と可視光を同時に撮影できるカメラと解析用ソフトウエアで構成する研究用装置。光治療薬や光診断薬などを研究する大学病院や製薬企業に提案する。消費税抜きの価格は1850万円から。国内向けに初年度で10台の販売を目指す。 新製品「LuminousQuesterNI(ルミナスクエスター・エヌアイ)」は、室内照明の影響を受けにくい近赤外光を利用するため幅広い実験環境で撮影可能。施設内の移動が可能なキャスター付きで、カメラの位置を自由に設定できるアームによってマウスやブタなどの小型・中型検体に対応する。従来法は暗箱を使用する閉じられた状態での計測で、撮影中に検体の処置ができないといった課題があった。 解析ソフトウエアでは、近赤外光と可視光で撮影した各画像を重ね合わせて表示でき、検体のどの部分に蛍光反応があるか容易に判断できる。また、近赤外蛍光反応強度グラフも同一画面上にリアルタイム表示し、時間経過と薬の挙動を関連付けて観察できる。 同社の新事業推進部門であるスタートアップインキュベーションセンターが手がける第2弾製品で、数年内に欧米への販売も計画。(京都)
日刊工業新聞2022年4月22日

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