コーセーの「4R」。化粧品メーカーだからこその廃プラ方法

容器素材、端材を原料にリサイクル

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ルースパウダーの内ふた㊤、PP製ランナー㊧、粉砕したPP㊨、右下は再生PPを50%配合したキャップ

プラスチック製の容器包装をめぐる環境負荷の低減は化粧品メーカーにとって喫緊の課題。そこでコーセーが2020年に掲げた計画の一つで目指しているのがサステナビリティー(持続可能性)に配慮した設計だ。2030年までに全新製品で発生抑制、再利用化などの4項目のうち、一つ以上を採り入れることを目標としている。

樹脂の使用量を減らす「リデュース」、詰め替えで対応する「リユース」、再生樹脂を使う「リサイクル」、バイオマス樹脂などを活用する「リニューアブル」。四つの頭文字をとって「4R」。ボトル、キャップには一つでも多くの「R」を新製品の設計段階で盛り込もうという基本方針だ。20年度の新製品のうち、いずれかのRを採用したのは17・3%。30年までに100%を目指している。

「できるところから取り組む」と荒井啓商品デザイン部長は強調する。成果は出始めており、ヘアケアブランド「ビオリス」のボトルは肉厚を減らしたことなどで樹脂量を約20%削減。スキンケアブランド「雪肌精」の外箱には段ボールを採用したほか、詰め替えやすさを考慮した中栓取り外し機構を採用した。

コーセーが環境問題に取り組み始めたのは20年以上前から。00年には環境報告書を出し、一部の化粧品容器に生分解性プラスチックを採用したことなどを紹介した。その後も研究を重ね、4Rに配慮した設計をうたった「サステナビリティプラン」を20年に公表してからは数値目標を掲げて取り組みを本格化した。

ただ「化粧品ならではの課題もある」(荒井部長)。さまざまな原料や成分が入っているため、直接触れる容器素材を変えるとなれば相性を一つずつ確認して設計し直す必要がある。特に難しいのが再生樹脂の活用だ。

そこで新たに取り組むのが、製造工程で発生した端材を再生原料に使うリサイクルだ。ルースパウダーの内ふたの成形時に樹脂を供給するポリプロピレン製のランナー(流路)を、内ふたの成形後に破砕して再生。1月から一部化粧品のキャップに使う素材にこれを加えて再生樹脂の配合率を50%に引き上げた。さらに自社だけでなく他業界の工程端材の活用も検討。成形を担う他社との技術共有も視野に広く普及の可能性を探ろうとしている。

詰め替えやすさを考慮した中栓を採用した「雪肌精」のボトル㊦

日刊工業新聞 2022年3月1日

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