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東証は市場再編で世界の投資マネーを呼び込めるか

4月4日に新市場
東証は市場再編で世界の投資マネーを呼び込めるか

4日から新市場区分に再編する東証

東京証券取引所による株式市場の再編が目前に迫った。東証は4日に東証1部、2部、マザーズ、ジャスダックの市場区分を廃止し、プライム、スタンダード、グロースの3市場を開設する。東証1部上場企業の約8割が最上位のプライムに移行するなど看板の掛け替えを懸念する向きが多い中、世界の投資マネーを呼び込み市場の活性化につなげられるか。これから市場再編の真価が問われる。(高島里沙)

日本取引所グループ(JPX)の清田瞭グループ最高経営責任者(CEO)は、市場再編の狙いを「持続的な企業価値向上や中長期的な成長に対するインセンティブが働くことだ」と説明する。東証はこれまで曖昧だった各市場のコンセプトを明確にし、流通株式の時価総額や比率などの基準を設けた。現市場の代表性や投資対象としての機能性が薄らぎ「明確な意図を持って市場構造を変えた」(清田CEO)とする。プライム市場の上場基準は、流通株式の時価総額が100億円で流通株式比率は35%、スタンダード市場は同10億円・同25%、グロース市場は同5億円・同25%に定めた。

東証1部に上場する2177社(3日見込み)のうち、約8割の1839社(4日見込み)がプライム市場に移行する。そのうち295社が上場維持基準を満たさないが、計画書の提出でプライム市場に残留する。経過措置期間の終了時期は決まっておらず、当面は現行の上場維持基準が適用される。東証は今後有識者の意見も踏まえながら期間を明確にする方針だ。清田CEOは「経過措置終了後に目指す姿が実現する」と強調する。

一方で上場企業による株式の持ち合い解消や親子上場の解消などの動きが加速。新市場移行に当たり流通株式の時価総額や比率に抵触する企業が多く、その引き上げに対応するためだ。ガバナンスの向上や株価上昇にも期待する声が大きい。上場を維持する基準が厳格化されるため、中小型株に分類される企業の動向にも注目が集まる。現在は東証1部全銘柄が対象の東証株価指数(TOPIX)だが、流通株式時価総額100億円未満の銘柄の組み入れ比率を2022年10月から25年1月末までに段階的にウエートを減らす。

日刊工業新聞2021年4月1日

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