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生産能力は1時間3000食…業界初の麺「自動ほぐし・調味機」がスゴい

生産能力は1時間3000食…業界初の麺「自動ほぐし・調味機」がスゴい

調理麺用の自動ほぐし・調味機「ネオマザール」

ソディックはパスタや焼きそばなどの調理麺用の自動ほぐし・調味機を開発した。ほぐしと調味の両機能を1台で備えた機械は業界初という。調理麺製造におけるソースなどの添加・撹拌工程の無人化により、人の手作業工程を削減でき、雑菌と異物の混入リスク低減を実現する。調理麺商品の鮮度延長が可能となり、食品廃棄量削減への貢献につなげられる。同機の投入を通じて、今後拡大が見込まれる調理麺市場を深耕する。

新開発の「ネオマザール」は3日に発売する。生産能力は1時間当たり3000食。ゆで麺装置と組み合わせることで、ゆで上げからほぐし、調味液の添加・撹拌までの無人ラインを構築できる。本体価格は3000万円(消費税抜き)から。

ゆで麺が入った各カップに油やソースを散布し、カップが自動回転することで麺と絡ませる仕組み。1食ごとに複数の油やパスタソースを、むらなく自動で添加・撹拌できる。個食で調味液などを添加・撹拌する機能は業界初としている。ソディック製個食計量装置を用いれば、従来のバッチ式工程と比べ手作業による計量が不要となり、省人化によるコスト削減が見込める。

また、マグネットの磁力でカップを回転させる独自の非接触伝動方式を採用。モーターなどの電装部品とカップなどの機械部を完全に分離し、汚れがたまりにくい構造に仕上げた。本体もすべてステンレス製で完全防水を実現するなど、清掃がしやすい仕様にした。

近年、独居世帯の増加など世帯構造の変化を背景に個食需要が伸びており、調理麺市場も引き続き拡大が見込まれる。ソディックは調理麺業界向けに製麺機やゆで機、ほぐし機を展開している。麺ほぐし機「マザール」は100台以上の納入実績を持つが、調理麺の調味工程は従来、作業員が介在していたため調理麺製造の自動化への課題となっていた。

日刊工業新聞2022年3月3日

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