IIJが公募型社内兼務制度を導入した狙い

  • 0
  • 3

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、2021年10月に社内公募型兼務制度「セレクトジョブ」を導入した。希望者は所属先に籍を置いたまま、別部署の業務を半年間兼務できる。通常の人事異動との大きな違いは、会社都合ではなく社員の自主性を重視し、新たな仕事に挑戦できる点だ。部署を超えた人材交流が生まれることで社内全体が活性化する期待もある。

同社はこれまでも、社員のキャリアの希望を尊重してきた。ただ、全ての希望をすぐに人事異動に反映するのは難しく、挑戦意欲の高い優秀な人材が離職してしまうケースもあった。「異動とは別に(他の仕事を)経験する機会を作りたかった」と同制度を主管する西森大輔社長室長は話す。

21年度は若手の育成に主眼を置き、20―30代の一般社員を対象とした。受け入れ先として70部署が84業務を提出。25人が19部署に応募し、選考を経て全員が採用され、海外事業や広報、顧客担当のシステムエンジニアなどを兼務している。関西、九州の拠点からも応募があり、各地からテレワーク勤務している。

兼務先での業務は就業時間の2割までを目安とし、本業に大きく支障を来さない範囲で行う。開始前に本人と所属先、兼務先の上長の3者で業務量の調整を行うほか、双方の同僚にサポートを呼びかけるなど業務負荷がかかりすぎないよう配慮している。

同制度は部署異動を確約するものではない。「正式に異動したい、自分の領域を広げたいと考えるきっかけになれば」と鈴木貴実人事部部長は話す。実際、参加者からは「漠然としていたキャリアイメージが具体化した」など、前向きな声が挙がっている。

受け入れ先からは、即戦力として自身で業務量を調整できるリーダークラスの人材を求める声もあった。22年度以降は現場の要望を踏まえて対象業務や対象者、実施期間などの見直しを検討する。「制度を通じて多面的な視点を持った人材に育ってほしい」と西森室長は期待する。

日刊工業新聞2022年1月25日

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる