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画像の撮影場所を簡易に特定、NECが開発した新技術の使い道

NECは地上で撮影された景観画像と、衛星画像や航空写真などの上空から撮影された画像を照合することで、景観画像の場所を推定する技術を開発した。ランドマークとなる建築物が写っていない場合であっても、広域をとらえた衛星画像・航空写真から撮影場所を見つけることが可能。今後、この技術を自然災害の被害を受けた場所や範囲の推定へ活用することで、救助活動の迅速化などに役立てることを目指す。

新技術を用いた公開データセット(CVACT)による評価で、世界最高水準の照合精度85・6%を確認した。成果はコンピューター・ビジョン分野の主要国際学会「WACV2022」で発表した。

地上で撮影した横からの景観画像と、人工衛星や航空機から撮影した上からの景観画像の特徴量の対応付けを学習する手法を開発したことで、視覚的な見え方が大きく異なる画像を高精度に照合できるのが特徴。

従来技術では、ランドマークとなる建築物が写った位置情報付きの画像と照合することで場所を推定していたが、限られた場所以外での推定が難しいという課題があった。今回開発した技術は、位置情報付きの衛星画像・航空写真と照合するため、街中の広い範囲の場所を推定できる。

さらに撮影時期の違いによる景観の変化にも対応。時間の経過により移動・変化する被写体を景観から削除した画像を大量に自動生成して学習することで実現した。地上で撮影した画像と衛星画像・航空写真との間で、車の移動・建物の取り壊し・樹木の伐採などにより景観が変化していても、画像の場所を推定できる。

水害や地震などの自然災害の発生時には、被災者の救助活動や生活再建に向けた取り組みを迅速に行えるよう、被害を受けた場所や範囲、状況を即座に把握することが重要となる。これらを把握する方法として、市民から自治体などへ提供される災害状況を撮影した画像の活用が期待されている。

日刊工業新聞2022年2月15日

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