雨や雪、雲を自動で判別。世界初の気象レーダー開発へ
ウェザーニューズが挑む
ウェザーニューズは雨や雪、雲などを自動判別する世界初の多周波気象レーダーシステムの研究開発を始めた。大阪大学大学院工学研究科の牛尾知雄教授が技術指導などで参画する。同レーダーの開発を通じて飛行ロボット(ドローン)など「次世代空モビリティー」の安全運航や最適なルート選定を支援する。2024年末までに試作品を完成し、実証実験や量産試作などを経て30年ごろの運用開始を目指す。
ドローンや空飛ぶクルマなど次世代空モビリティーが目的地へ確実に到着するには、飛行ルート上の雨の強弱など天候を把握して飛行することが必要だが、既存の気象レーダーや衛星画像などでは雲の内部を高解像度で観測することが難しい。
開発する多周波気象レーダーシステムは一つのシステムで特性の異なる複数の周波数帯を使用する。これにより雲の内部を高解像度に観測して雨や雪、雲の判別を可能にする。同レーダーにより、ドローンなどが飛行する低高度の気象現象をより細かく観測。次世代空モビリティーの運航を支援する。
ウェザーニューズは科学技術振興機構(JST)の21年度未来社会創造事業(大規模プロジェクト型)の技術テーマで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提案して採択された研究開発課題の共同研究グループとして参加。共同研究の一環としてJSTから支援を受け、研究開発を進める。
日刊工業新聞2022年1月6日