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「V字」回復の産業用ロボット、メーカートップたちから「需要拡大」期待の声

産業用ロボットがV字回復を遂げている。米中貿易摩擦と新型コロナウイルス感染症の影響で2019―20年は需要が一時的に落ち込んだが、自動車の電動化に伴うバッテリーや半導体関連などの製造における自動化需要を取り込み、21年からは好調さを取り戻している。長期化する部材不足や収束が見えない新型コロナへの懸念は続くが、22年も高水準の需要が期待できそうだ。

日本ロボット工業会がまとめた21年の年間受注額(会員ベース)は過去最高を更新した。年間の総出荷額は前年比27・8%増の8403億円で3年ぶりに増加した。このうち国内向けは同10・4%増の1856億円で2年ぶりの増加となった。国内出荷額のうち電気機械製造業向けは同23・5%増の557億円、自動車製造業向けは同3・8%増の579億円だった。

一方、輸出は20年下期から好調な中国が全体をけん引し、欧米も回復基調が続いている。輸出額は同33・7%増の6547億円と伸びた。電子部品実装用では同29・1%増の2795億円。自動車向けが主となる溶接用は同41・3%増の813億円だった。

22年は21年よりさらに「ウィズコロナ」の潮流が加速。新型コロナで停滞した経済の復興が待たれる。年始の賀詞交歓会で日本ロボット工業会の小笠原浩会長(安川電機社長)は「21年12月も受注の水準は落ちてない。年間を通じて22年は悪い気配はない」とさらなる成長に期待を示した。21年からの受注残もあり「少なくとも上期までは良い」と続ける。1月中旬に21年11月期決算を発表した不二越の坂本淳社長は主要供給先である自動車や電機・電子でのロボット関連の投資増加を見込む。「需要は拡大しており、大いに期待している」という。

26日に21年4―12月期決算を発表したファナック。21年10―12月期のロボット受注高は909億円で過去最高を更新した。欧米や中国では自動車メーカーなどの電動化対応に関連し、新ライン構築や新工場設置のためロボット需要が増加。山口賢治社長は「ロボットは強い引き合いが続いている」と語る。同社では高まる需要に対応するため、生産能力の引き上げも視野に入れている。

日刊工業新聞2022年1月28日

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