部品加工をマッチング、住友商事が数十億円の売り上げ目指すAIサービスの仕組み
住友商事は部品加工のマッチングサービスを始める。まずは板金・切削加工を対象とし、単工程から依頼できるのが特徴。加工会社は自社の加工能力や規格・認証などを事前に登録しておき、発注企業が案件を登録すると、人工知能(AI)が適した能力を持つ加工会社を自動的にマッチングする。2023年前半の商用化を計画しており、27年頃までに年間数十億円規模の売り上げを目指す。
住友商事が開発・運営するプラットフォーム(基盤、PF)「SynApp(サイナップ)」を通じてマッチングする。製造・加工会社は自社ではできない工程を簡単に外注でき、加工会社は得意な案件を効率的に受注できる。チャット機能で詳細や見積もりの相談も可能。サブスクリプション(定額制)で、月数万円程度を想定する。
21年に2回実証を行い、タングステン部品の溝入れ加工、生産用機械向け旋盤加工などで引き合いがあったという。22年からは中部や関西、首都圏の企業約600社を対象に3回目の実証を行う。
決裁や配送支援といった機能の搭載も計画しているほか、将来的には板金・切削加工以外でのマッチングや、財務、経理、事業継承など加工能力関連にとどまらない顧客企業の課題解決を支援するPFの構築を目指す。
日刊工業新聞2022年1月28日