協定締結は約1000件、イオングループの防災訓練の深化

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避難所として使われたバルーンシェルター

全国で店舗を展開するイオンは、災害発生時には「営業を続けることが責任」(入江道之総務部長)という考えのもと、地域の社会インフラとして動く。イオングループ全体で、600以上の自治体、40の民間企業・団体と約1000の協定を締結。相互連携を取りながら復旧支援も行う。近年の傾向とこれまでの経験から、地震対策に加えて、水害対策にも乗り出した。

イオンは「情報システム」や「施設」など五つの重点分野で事業継続計画(BCP)に取り組んでいる。そのうちの一つ「外部連携」は、2016年からの5カ年計画を策定し、特に力を入れてきた。グループ内で持ち得ない外部が持つ機能や能力を借りる一方、イオンは敷地や食料品、資機材を提供する。「連携することで事業継続が確実になり、結果、地域のお客さまの役に立つことができる」(同)。

16年4月の熊本地震では、協定先の日本航空(JAL)と陸上自衛隊とともに活動開始。イオンの持つ4基のバルーンシェルターをJALが長崎空港まで運び、そこから陸上自衛隊が御舟町役場まで輸送。避難所として使われた。

19年9月に千葉県に上陸した台風被害の際には、木更津市と成田市のイオンモールの駐車場を提供し、東京電力が電力復旧作業の拠点として活用した。

当初は地震災害を想定したBCPだったが、近年は水害が多発していることから風水害時のBCP対策も追加。20年6月のグループ防災訓練は、地震のほかに台風や水害を想定して実施した。

店舗の営業継続を優先するあまり、従業員の安全確保がおろそかになっては元も子もない。そこで活躍するのが天気の情報だ。ウェザーニューズ(千葉市美浜区)と協定を締結し、精度の高い気象情報を早い段階から収集することで、来店客や従業員が安全に行動できるようにした。物流機能維持にも役立てる。「今後も外部連携など五つの分野で、進化と深化を進めた対策を講じていく」(入江部長)計画。

日刊工業新聞2021年4月8日

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イオン 防災

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