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核融合炉に適用へ。高強度で高伝導の銅合金を東北大が開発

東北大学の余浩助教と笠田竜太教授らは、高強度で高伝導性の銅合金を開発した。ビッカース硬さは従来のイットリウム酸化物分散強化銅合金の1・5倍になる。核融合炉のヒートシンク向けに開発した。高温動作するヒートパイプや熱交換器にも提案していく。

イットリウムとジルコニウムの複合酸化物を微粒子化して銅中に分散させる。イットリウムとジルコニウム、銅の粉末をメカニカルアロイングで微粉化し、放電焼結してから熱間鍛造で合金を作製した。室温での降伏応力は700メガパスカル(メガは100万)と推定される。

強度と熱伝導性はトレードオフの関係にあり、室温での熱伝導性は半減、500度Cでは3割減になる。だが475度Cで熱時効処理をするとそれぞれ4割減と2割減に改善する。今後、核融合炉への適用性を調べる。

日刊工業新聞2022年1月5日

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