先端技術を支える“ニッポンの素材力” 。中小企業が欧州機関から核融合炉用合金を受注

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三芳合金工業(埼玉県三芳町、萩野源次郎社長)は、欧州の研究機関から国際核融合実験炉(ITER)の炉壁用の特殊銅合金を受注した。8月と11月の2回に分け、耐熱性に優れた銅板を出荷する。数量は未公表だが、全使用量の3%程度と見られる。三芳合金にとってITERでの受注は2011年の冷却管部品に続き2度目となる。

欧州でITERに取り組む研究機関、フュージョン・フォー・エナジー(F4E)による第1壁の国際入札(20年4月)に応札し、フレーム契約に至ったフランス、ドイツ、イタリア、トルコの海外4社との競合で受注を勝ち取った。

供給するのはクロムとジルコニウムを添加した板状の銅合金。1000度C超の高熱にも耐えられ、高い熱伝導率とも両立させた。ITERの第1壁は炉の遮蔽(しゃへい)ブロックの外側に張り付けられ、超高温の熱を取り除くための高い熱伝導性も求められる。

国際分業で進むITER計画で、三芳合金は日本勢が担当する「ダイバータ」の外側垂直ターゲットに使う特殊銅管を受注済み。近く始まる量産に向け準備を進めている。ダイバータは核融合炉のプラズマ純度を保つため、ヘリウムなどの不純物を除去する装置。その除熱用の銅管には高い耐熱性と熱伝導性が求められる。

こうした実績から欧州での評価も勝ち取り、F4Eの担当ユニットの部材受注に成功。さらにダイバータでも欧州勢が担当する内側垂直ターゲットの受注獲得を狙う。フランスとドイツのメーカー3社にテスト品の出荷を始めた。「F4Eからの支給材ではなく各メーカーが独自に調達し、内側垂直ターゲットを製造する。テスト品の評価も良好で受注獲得を見込める」(萩野社長)としている。

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