2人で一つの身体を操るロボットシステムが担える役割【動画あり】

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2人で手前のロボットアームを共同操縦する

名古屋工業大学の田中由浩教授と慶応義塾大学の萩原隆義大学院生、南沢孝太教授らは、2人で一つの身体を操る共同操縦ロボットシステムを開発した。1台のロボットアームを2人が操縦する。把持とアームの動きなど動作を分担したり、動作と知覚を分担したりと複数の人間が一つの身体を操る際の最適分担構成が求まる。ロボットの遠隔操縦を人工知能(AI)技術で支援する際に、人間のサポート自体を抽象化してAIに導入するといったことができるようになる。

仮想現実(VR)の動作計測技術などを使って2人の動きを測り、合成してロボットで実行する。からくり人形を複数人で操る文楽のように一つの身体を複数人で操縦する。この操縦過程をロボットを通してデジタル化する。すると呼吸を合わせるといった感覚と動きを遠隔で一致させる過程を解析できる。

操縦者には操縦パートナーの動きを触覚などで伝えることも可能。大きく手を動かそうとすると大きな振動が伝わるといった意思疎通の伝達手段もデジタル化して制御できる。

共同操縦実験を通して2人の操縦は50対50で動作を合成すると安定し、双方に主体感が得られることが分かってきた。自分の動きが半分しか反映されていなくても、自分で操縦している実感がある。これは自動運転などで操縦が自然とサポートされる場面でも主体性を失わない心地よさにつながる。

また人のサポートが上手な人の特徴や、人と人の相性をデジタル化できる。これをAI技術などに実装できると自動化や情報補填とは違う、操縦者に寄り添うサポートが実現する。

熟練者から初心者への指導などに生かしていく。

日刊工業新聞2021年12月24日

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