新型コロナ向け「たんぱく質ワクチン技術」実用化へ、副反応を抑え抗体価上昇

島根大や旭化成などが開発

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新型コロナウイルス「オミクロン株」の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

島根大学や旭化成、京都大学などは、接種時の副反応を抑えながら中和活性を有する抗体価を上昇させる新型コロナウイルス向けたんぱく質ワクチンの技術を開発した。生体にも存在するヒアルロン酸ナノゲルをワクチンの添加剤として採用。抗体を作り出す作用のある人工的なスパイクたんぱく質をリンパ節に効率的に運ぶ伝達システムの構築につなげる。今後、製薬企業との協業で実用化を目指す。

新型コロナウイルスワクチンで使用が進むRNAワクチンは免疫反応を補助するアジュバントとして、ポリエチレングリコール(PEG)を採用。PEGはワクチン接種時におけるアナフィラキシーショックの一因とされるが、ヒアルロン酸ナノゲルが効率的にたんぱく質を運ぶためPEGの使用を避けることができる。

副反応の抑制のほか2回接種後のマウス実験で中和活性を有する抗体価の上昇や1年以上の持続期間、免疫記憶の誘導を確認した。

ヒアルロン酸ナノゲルの提供で開発に参加する旭化成が医薬品製造品質管理基準(GMP)対応の設備を導入し、2023年にも生産体制を整備。その後、非臨床や臨床試験を行い、製薬企業も加えて実用化を目指す。

浦野健島根大教授は「開発したワクチンは新興感染症への対応も視野に入れ、このチームで枠組みを構築していきたい」と話す。

日刊工業新聞社2021年12月20日

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