アドバンテストが米国に新工場。先端半導体向け検査装置の消耗部品を増産
アドバンテストは米国アリゾナ州で先端半導体向け試験装置(テスター)用消耗部品を増産する。2020年に買収した米イサイのアリゾナ州の工場近くに新たな土地と建物を取得した。10月に22年3月期の設備投資額を7月予想比90億円増額しており、そのうちの大半を振り向ける。第5世代通信(5G)スマートフォンやデータセンターなどで使われる先端半導体の需要拡大に対応する。
被測定デバイスをテスターに接続する「ソケット」を増産する。最終テスト用テスターのほか、半導体の最終製品に近いシステム製品を検査する「システムレベルテスト(SLT)」用のテスターと組み合わせて提供している。
アドバンテストは、19年に米アストロニクス・コーポレーションのSLT事業を買収した。システム製品の高度化・複雑化に伴い、需要が拡大している。同事業の売上高は22年3月期に400億円超を見込む。近い将来、同500億―600億円を目指す。
アドバンテストはテスター生産に占める一定量を自社で確保する一方、電子機器製造受託サービス(EMS)を活用することで生産能力を拡大している。ただ、消耗部品は自社で生産し、頻繁な品種の変更にもフレキシブルに対応できる体制を構築している。
日刊工業新聞2021年12月3日