先端半導体の研究開発でIBMと連携する経産省の狙い

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IBMの線幅2ナノメートル半導体(ウエハーに回路を焼き付けたもの)

経済産業省は先端半導体の研究開発基盤強化に向け米IBMと連携する。産業技術総合研究所が立ち上げたコンソーシアムにIBMが参加し、技術協力を進める。IBMは世界初の線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体を発表するなど最先端プロセス技術を持つ。次世代チップの素材や設計、製造技術などを提供する一方、微細化技術の確立に向けて日米連携が動きだす。

経産省がIBMに参加を打診し、加入が決まった。IBMの米ニューヨーク州アルバニーの研究開発拠点と産総研がつながり、将来的な日米による技術協力プロジェクトの構想も描いている。3月に産総研が立ち上げた先端半導体製造技術コンソーシアムには台湾積体電路製造(TSMC)や米インテルの日本法人も参加している。IBMが加わることで、研究開発における海外との連携が加速する。

政府は経済安全保障の観点からも半導体分野で海外と多角的連携を進める。経産省は5月末にTSMCをはじめ日本の約20社・機関が参加するグループに対し、先端半導体製造技術確立に向けた研究開発の支援を決めた。

一方、4月の日米首脳会談では半導体のサプライチェーン(供給網)に関する連携が共同声明に盛り込まれた。米国は設計で強みを持ち、日本は製造装置や素材で高シェアを握る。日米連携が今後具体的に動き出す。

日刊工業新聞2021年6月4日

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