深刻化する「フードロス」の対策、ベンチャーで広がる支援の輪

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クラダシは、書店にSDGsやフードロス関連書籍、フードロス商品を販売するブースを設置した(同社提供)

ベンチャーや中小企業の間で、「フードロス」対策への支援の輪が広がっている。新型コロナウイルス感染拡大や自然災害の影響などにより、商品が売れず過剰在庫問題を抱えた事業者が増え、フードロスの問題はより深刻化している。食品の賞味期限の切迫や季節商品、パッケージの汚れやキズなどの要因で、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品などへの支援を募ることで、その危機を乗り越えようとしている。(山下絵梨)

「フードロス」とは、本来食べられるのに廃棄されてしまう食品のこと。農林水産省と環境省がまとめた2018年推計によると、日本は年間約600万トンものまだ食べられる食品を廃棄している。フードロスは環境や食料問題を引き起こす要因としても認識されており、国連の持続可能な開発目標(SDGs)でも取り上げられている。

カウンターワークス(東京都目黒区、三瓶直樹社長)は全国商工会連合会と共同で、28日までJR東京駅構内で「超おつまみ市」を開催中だ。新型コロナの影響でフードロスにつながる過剰在庫問題を抱える事業者が出店する。全国の商業スペースを短期利用できるプラットフォームを提供するカウンターワークスと、全国に多くの会員事業者を抱える全国連が協力し、購買機会の創出や収益確保を目的に企画した。

クラダシ(東京都品川区、関藤竜也社長)は、フードロス削減への賛同メーカーより協賛価格で提供を受けた商品を消費者へ販売するショッピングサイト「KURADASHI」を運営する。フードロス問題を啓発するため、日本出版販売(東京都千代田区、奥村景二社長)と連携し、書店にSDGsやフードロス関連書籍、フードロス商品を販売するブースを設置した。販売によるフードロス削減と、SDGsやフードロスについて考え、行動する機会を消費者へ提供する狙いがある。同取り組みの主なSDGs連携は、ゴール12「つくる責任 つかう責任」で、持続可能な消費と生産のパターンを確保するための目標だ。

ふるさと納税の活用も増えている。ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京都渋谷区、川村憲一社長)の調査によると、20年に比べ、今年の1月―11月15日の「ワケありの品」は、登録件数が約2・3倍、寄付件数が1・6倍、寄付金額が1・7倍に増加した。コロナ前の19年から比較すると登録件数は約4・5倍に伸長した。同社は「コロナ禍により『地域を支援したい』という寄付者の思いが広がった」と分析する。地域の生産者応援やフードロス対策への関心は高まり続けている。

日刊工業新聞2021年11月25日

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