フードロス削減へ。果物の成熟早めるエチレンガスの小型計測器を開発
産総研などが実用化へ
産業技術総合研究所の古賀健司主任研究員と洪達超主任研究員、物質・材料研究機構の石原伸輔主幹研究員は、果物の成熟を早めるエチレンガスを測るポータブル計測器を開発した。検出限界は下限が0・2ppm(ppmは100万分の1)で上限が100ppm。青果物の品質管理に活用し、フードロス削減を目指す。開発した試作機の貸し出しを10月に始める。実地検証を重ね、実用化を目指す。
半導体カーボンナノチューブ(CNT)をセンサーとして利用する。エチレンを触媒でアセトアルデヒドに変換し、このアセトアルデヒドが試薬と反応して生じる塩酸ガスを半導体CNTの抵抗値変化として検出する。
従来の検出器はエチレンの共存ガスによる影響で誤検知が起こることがあった。新装置はエチレンと反応しない触媒を経由したガスを計測して参照する。これにより、共存ガスなどのノイズを除去できる。
日刊工業新聞2021年9月16日