ホンダが「水上」でも電動化にアクセル、あえて高い目標を示す狙い

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小型電動船外機のコンセプトモデル

ホンダが電動化の領域を広げている。船外機の電動化を目指し、コンセプトモデルの開発に取り組んでいる。動力源には電動2輪車で用いている交換式電池「モバイルパワーパック(MPP)」を用いる方針だ。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に向け、2輪車や4輪車といった「陸」以外の分野でもアクセルを踏む。(江上佑美子)

「水上のモビリティーを変える契機にする」。船外機や芝刈り機などのライフクリエーション事業を統括する加藤稔事業本部長は電動船外機の開発について、こう意気込む。開発中のコンセプトモデルは5―6馬力相当で、MPP2個で40分程度の航行が可能。事業化のめどは未定だが、研究子会社である本田技術研究所の板井義春ライフクリエーションセンター長は「電池を交換すれば、充電を待つことなく運転し続けることができる」と可能性をアピールする。

ホンダは1964年に船外機市場に参入。現在までに約200万台を生産した。既存の船外機の動力は主にガソリンだ。電動化により、騒音や振動の低減も図ることができるとする。現時点では電池容量の点で、個人用クルーザーなど小型船舶への活用を目指す。実用化にはコスト面などが課題だ。

ホンダは2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げる。4輪車については、40年に発売する新車の全てを電気自動車(EV)もしくは燃料電池車(FCV)にする方針を4月に発表。2輪車においても電動車のラインアップ拡充を進めている。さらに空の領域では電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発に取り組んでおり、30年代の事業化を目指している。

2輪車や4輪車に比べると、空や水上の領域の方針はまだ具体性に欠ける。採算性という面でも難しい面がある。あえて高い目標を示すことで、カーボンニュートラル実現に向けた覚悟を社内外に示す狙いだ。

日刊工業新聞2021年11月23日

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