車と歩行者の携帯端末が通信して接触事故減らす。ソフトバンクと本田技研が描く5G活用策
ホンダ子会社の本田技術研究所とソフトバンクは、車両と歩行者の携帯端末が、高速データ通信で情報をやりとりすることで、両者の接触事故を減らす技術の検証を始めた。ソフトバンクの第5世代通信(5G)の実験用基地局を本田技研の鷹栖プルービンググラウンド(北海道鷹栖町)に設置し、三つのユースケースを検証する。本田技研の認識技術も活用する。2021年度中の検証完了を目指す。
ユースケースの一つ目は、歩行者が車道に侵入するなどの危険を車載カメラが認識した場合で、歩行者の携帯端末に警報を送る。
二つ目は、走行車両のドライバーが、歩行者を目視できない状況を想定。見通しが悪いエリア内に歩行者がいるかを周辺の携帯端末や車両に自動で問い合わせる。歩行者がいる場合、歩行者に車両の接近を通知するとともに、歩行者の携帯端末から走行車両に対し、存在を通知する。
三つ目は、車載カメラで特定した見通しが悪いエリアでのケースを想定。歩行者の有無を走行車両が把握し、歩行者がいる場合、周辺車両と歩行者に警告する。カメラによる認識機能がない車両にも情報を送信することが可能だとしている。
日刊工業新聞2021年11月18日