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ジェイテクトが自動車向け歯車事業に乗り出す狙い

ジェイテクトが、自動車向け歯車事業に乗り出す。自動車部品、工作機械などグループの強みを結集した歯車開発センター「ギヤイノベーションセンター=写真」を開設した。一般的に約100日かかるという歯車の試作を約30日で実現し、強みの歯面加工技術などで高品質な歯車を作り出す。電動化の進展で需要増を見込む電動駆動モジュール「eアクスル」向け歯車などを想定し、試作から量産受注につなげる。

同センターは刈谷工場(愛知県刈谷市)に置く。旋盤や歯研盤など工作機械を設け、歯車開発の幅広い需要に対応する。

試作の納期短縮にはグループの自動車部品の設計シミュレーション技術などを生かす。子会社の豊精密工業(愛知県瀬戸市)の研磨技術などを生かした歯面加工技術で歯車の低騒音化や小型化を実現する。歯車の受注だけでなく、歯車加工関連の設備の販売も狙う。

同センター責任者の牧泰希自動車事業本部副本部長は「eアクスルは、歯車を上手く作れるとユニット全体を小さく安くできる。グループの加工技術やシミュレーション技術を組み合わせれば顧客に付加価値を提供できる」と語った。

日刊工業新聞2021年11月3日

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