業績回復進むトヨタグループの部品メーカー、横たわる複数のリスク

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トヨタ自動車の豊田章男社長

トヨタ自動車グループの主要部品メーカーの業績回復が進む。2022年3月期連結業績予想をデンソーなど3社が上方修正した。コロナ禍で落ち込んだ自動車メーカーの生産回復を受け増収。さらに体質改善の取り組みの成果が出て利益を押し上げる構図だ。一方、半導体不足や新型コロナウイルス感染症再拡大、原材料価格の高騰がリスクとして残る。愛知製鋼は通期予想の売上高は引き上げたが、各利益項目は下方修正した。

デンソーは堅調な販売と、ソフトウエア設計における効率化の取り組みなどによる効果を要因に、売上高と各利益項目で通期見通しを上方修正した。いずれも過去最高の更新を見込む。

豊田自動織機は産業車両部門などが好調に推移する。売上高と税引き前利益、当期利益の通期見通しを引き上げた。ジェイテクトは省人化推進などにより収益改善効果を見込み、各利益項目を上方修正した。

一方、トヨタ紡織の伊藤嘉浩取締役執行役員は「今後の半導体不足や新型コロナの影響が読めない。最近は原材料費の高騰もある」と表情を曇らせる。

各社の足元の業績は堅調だが、複数のリスクが横たわる。愛知製鋼は鉄スクラップ価格の高騰で各利益項目を下方修正した。アイシンは、業績見通しを据え置いた。豊田合成は樹脂材料価格の動きなどを注視する。

デンソーの松井靖取締役経営役員は半導体の需給について「半導体メーカーの増産などで(需給の逼迫〈ひっぱく〉は)徐々に緩んではいるが、22年初頭までは厳しい状況が続くのではないか」と見通す。

21年4―6月期連結決算は7社全てが営業黒字に転換した。前年同期は新型コロナの影響を受け営業赤字だった。


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日刊工業新聞2021年8月2日

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トヨタ アイシン

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