食品ロスを削減する新サブスクサービスが面白い
ロスゼロ(大阪市西区、文美月社長)は、賞味期限が近づいたことなどを理由に販路をなくした食品を詰め合わせ、定期販売するサブスクリプション(定額制)サービスを始めた。まだ食べられるにもかかわらず廃棄処分となっていた食品を消費者へ割安で提供し、食品ロス削減につなげる。1回当たりの価格は5000円(消費税込み)。毎月コース、隔月コース合わせて100人程度の利用を見込む。
サービス名は「ロスゼロ不定期便」。余剰分の食品が発生したタイミングでメーカーから食品を引き取り、通常は合計7000円以上で販売する菓子や食材、保存食などを詰め合わせて提供する。
ロスゼロは賞味期限が近づいた食品のネット販売や市場で余った製菓材料を利用した菓子の企画販売を手がける。文社長は「単なる安売りでなく、余った食品の背景について消費者にしっかり伝えることで、メーカー側のブランドを毀損(きそん)せずに食品ロスを減らせる」と強調する。
コロナ禍で飲食店が休業や時間短縮営業を余儀なくされたことから、メーカーにおける食品廃棄量は増加傾向にある。企業からも「食品ロスに関する問い合わせが殺到している」(文社長)といい、定額制サービスの開始により安定的な商品の仕入れと供給につなげる。
同社は10月、社名を「ビューティフルスマイル」から提供するサービス名と同じ「ロスゼロ」へ変更した。
日刊工業新聞2021年11月5日