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全1000品目をセルフで量り売り。全国初のスーパーが誕生

全1000品目をセルフで量り売り。全国初のスーパーが誕生

IoTを活用したセルフ量り売りシステムの導入で利便性を高めた(イメージ)

斗々屋(京都市上京区、梅田温子社長)は、全ての商品を量り売りし包装資材などのゴミを出さないスーパーマーケット「斗々屋(ととや)」を31日に京都市内でオープンする。取扱品目は生鮮品や日用品など約1000点。IoT(モノのインターネット)を活用したセルフ量り売りシステムの導入で利便性を高めた。同様の規模で全般的に量り売りを行う小売店の開業は全国で初めて。

新店舗には寺岡精工(東京都大田区)が開発したモーションセンサー「e.Sense」を採用。利用者が棚から商品を取り出すとその動作をセンサーが検知し、商品情報を最寄りの電子スケールへ送信する。品目が多くても間違いなく簡便に商品を計量でき、利用者や店員の負担が少なくて済む。

世界でプラスチックなどの廃棄物が問題となる中、個包装がなく必要な分だけ商品を購入できる「バルクショップ」と呼ばれる販売形態が注目されている。国内でもバルクショップが増えているものの、商品管理の観点から多品目の量り売りが難しく、小規模にとどまっていた。斗々屋はIoTの導入によりこうした課題を解決。環境配慮型のスーパーとして展開する。

通い箱による商品の仕入れやフェアトレード(公正取引)での調達など、店舗運営も持続可能性を追求した。スーパーにはレストランも併設。消費期限の近づいた食材を調理し食品ロスをなくす。乾物だけでなく、野菜や果物、うどんや豆腐などの生鮮品量り売りにも挑戦する。

同社はこうしたノウハウを他社にも共有。「全国的に増えているゼロウェイスト(廃棄物ゼロ)な量り売りのお店をサポートし、新しい小売りの形の定着を目指す」(梅田社長)方針だ。

日刊工業新聞2021年7月14日

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