ANAが引っ張る、植物由来燃料の産業横断利用

  • 0
  • 2
航空機を利用する企業と共同で二酸化炭素(CO2)削減に向けてSAF利用拡大に取り組む

CO2削減プログラム、“三方よし”脱炭素アピール

全日本空輸(ANA)は植物由来などの持続可能な航空燃料(SAF)を活用した取り組みを始動する。航空機を利用する企業と共同で二酸化炭素(CO2)削減に向けて取り組むプログラム「SAFフライトイニシアチブ」を立ち上げ、産業横断的にSAFの利用促進に結びつける。利用企業を巻き込みながら、ANAグループとして2050年までに航空機運航でのCO2排出量実質ゼロの達成につなげる狙いだ。(浅海宏規)

「(売り手よし、買い手よし、世間よしの)“三方よし”のプログラムだ。業界を超えての参加を期待したい」―。14日に開いたSAFの新たな取り組みに関する説明会で、井上慎一専務執行役員はこう述べた。

プログラムはSAFを使ったANAの航空機を利用することで、第三者機関の認証を受けたCO2削減証書を発行する。世界的な脱炭素の動きが活発化する中、利用企業にとっては輸送面での環境へ配慮した取り組みとして顧客や投資家などにアピールできる。

平子裕志社長は「SAFの具体的な取り組みは欧米で先行している。残念ながら日本は大きく遅れている」と指摘する。日本ではSAFの多くを輸入に頼っており、今後、CO2削減として世界の航空会社がSAFの採用を進めると、供給不足になる可能性もはらむ。こうした取り組みを進めることで環境意識の高まりを促し、既存のジェット燃料に比べて高額なSAFの量産・普及にもつなげたい考えだ。

第1弾として物流・貨物企業向けの「カーゴ・プログラム」では日本通運、近鉄エクスプレス、郵船ロジスティクスの3社が参画。SAFを使用した貨物便を9月29日に共同で実施した。SAFを使用した運航を顧客企業と共同で行うのは、国内航空会社として初めてという。

物流や貨物会社を対象とした貨物便のほか、今後は社員の出張などで航空機を利用する企業を主な対象とした「コーポレート・プログラム」も準備が整い次第始める。取り組みを拡充し、航空輸送業界でCO2削減に不可欠なSAF普及に弾みをつける。

オンラインセミナーのご案内

ニュースイッチでは、オンラインイベント「失敗パターンから学ぶ 製造業AI導入のカギ 〜AIプロジェクトのリベンジを目指して〜」を開催します。
本セミナーでは、特集「AIは幻想かー導入現場のリアル」の執筆を手がけた、AI開発スタートアップLaboro.AIの代表取締役CTO 藤原弘将氏が、製造業の代表的なAI導入ケースである異常検出、需要予測、故障予知、安全管理、工程スケジューリングをテーマに取り上げ、それぞれのアンチパターンを紹介し、AI導入プロジェクトを成功に導くためのヒントを提供します。

2021/10/20(水) 14:00 ~ 15:30
<<申し込みはこちらから>>
参加料:¥7,700(税込)
申し込み締切 2021年10月19日(火)12:00

【連載】AIは幻想か―導入現場のリアル

日刊工業新聞2021年10月15日

キーワード
SAF ANA

関連する記事はこちら

特集