「空の脱炭素」日本主導へ、官民で次世代航空機技術の安全基準づくり

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国土交通省は水素燃料の活用や電動化など脱炭素に寄与する次世代航空機技術の安全基準を策定する。機材関連メーカーや装備品メーカー、関係省庁、研究機関が参画する有識者会議を設け、2022年度末までに具体的な工程をまとめる。23年度以降に安全基準を策定し、日本の基準を国際標準にするべく国際機関に採択を働きかける。官民一体で航空機の環境技術で世界をリードする考え。

安全基準は次世代航空機に欠かせない要件や検証方法。航空機運航時の二酸化炭素(CO2)排出削減が求められる中、実用化が期待される環境技術にはハイブリッド水素航空機や水素供給システム、高出力のモーター、電動アクチュエーターなどがある。また、炭素繊維複合材の構造部材への活用やセラミックス複合材によるエンジン軽量化なども想定される。

有識者会議のメンバーは未定だが、IHIや川崎重工業、ジャムコ、シンフォニアテクノロジーといったエンジンや機体、装備品の国内大手サプライヤーが候補になりそうだ。オブザーバーとして日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)も加わるとみられる。

有識者会議で次世代技術についての実用化の見込みを精査し、22年度末までに対象技術や基準作りの手法をまとめる。23―25年度にかけて安全基準をつくり、国際標準化を目指す。航空機の環境技術で日本が優位に立てるようにする。

欧米では戦略的に安全基準の国際標準化に取り組んでいる。米国は米連邦航空局(FAA)が自動車や航空宇宙関連の標準規格を策定する米自動車技術会(SAE)などに参画し、欧米の当局や企業と基準案を調整している。欧州でも欧州航空安全庁(EASA)が欧州民間航空電子装置機関(EUROCAE)などに参画し、国際標準化を進めている。

一方、日本は基準に関係する技術を持つ企業は多数あるが、企業単独で国際標準化機関に基準案を提案することが多く、標準化で主導権を握るのが難しかった。

日刊工業新聞2021年6月15日

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