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凸版印刷が試作に成功した「ガラス製マイクロ流路チップ」、がんの早期発見に活用へ

凸版印刷は、半導体の製造などに用いるフォトリソグラフィ技術を使用して製造したガラス製マイクロ流路チップ(写真)の試作に成功したと発表した。現在、一般的なポリジメチルシロキサン(PDMS)を金属製の型に注入する射出成形技術で作るチップと比べ、大量生産と低コスト化が可能になる。量産化技術を2022年3月にも確立し、製品化に取り組む。血液などの体液サンプルを用いて、がんの早期発見を可能とする「リキッドバイオプシー検査」などで活用が見込める。

液晶ディスプレー用カラーフィルターの製造で培ったフォトリソグラフィ法による微細加工技術を応用。ガラス基板に塗布したフォトレジスト(感光性樹脂)上に幅10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)から数ミリメートル、深さ1マイクロ-50マイクロメートルの流路を形成。硬化処理したフォトレジストの上に検体や試料となる液体を注入するための穴が開いたカバーを装着した。

日刊工業新聞2021年10月8日

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